プレ・メディカルライフ

現役医学生が語る、ただの戯言

【2023年問題】カリキュラム変遷期にいる医学生が感じること〜医学部のカリキュラム変更について〜

こんにちは、ドンキーです。

 

突然ですが、2023年問題ってご存じですか?

 

Google先生に聞いてみると色々サイトが出てきて、解説・説明がいろいろ書かれています。読んでみると分かると思いますが、一応この記事でも簡単に説明します。

 

2023年問題に伴う医学部のカリキュラムは具体的にどう変更しているか。そして、この記事の本題である、カリキュラム変遷期にいる医学生が実際に感じる変化・影響についてお話します。

 

 

 

2023年問題とは?

予め、今回参考にしたサイトについてお知らせします。google先生で「2023年問題」と検索すると上位に出てくるサイトを参考にしてます。

 

☆【MEC通信 No.37 6月22日号】 2023年問題について | "MECサポーター会員限定" MEC通信

☆ 医学教育「2023年問題」からの示唆―国際標準化の波と薬学教育への影響―:医薬ジャーナル社, Iyaku(Medicine and Drug)Journal Co., Ltd.

☆ DOCTOR-ASE:医学生がこれからの医療を考えるための情報誌

☆ 医学部にも黒船襲来 「2023年問題」に向け“脱ガラパゴス” (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

 

上記の4つのサイトをちゃんと読むと、2023年問題について理解できると思います。特に、2023年問題について簡単にまとめている部分があったので引用しました。

 

2023年問題とは、簡単に言うと2010年にECFMG(外国の医学部卒業生のための教育委員会)が発表した「2023年までにWFME(世界医学教育連盟)のグローバルスタンダード認証を受けていない大学の卒業生には、アメリカの医師免許を取得させない。」というものです。これにより、これまで日本の医学部を卒業していれば受験ができたUSMLE(アメリカの医師国家試験)が、2023年以降、日本の医学部を卒業していても、WFME認証大学の医学部に入学、卒業しなければUSMLEの受験ができなくなる

【MEC通信 No.37 6月22日号】 2023年問題について | "MECサポーター会員限定" MEC通信

 

上の説明を図式化すると...▼

 

現在~2022年日本の大学の医学部卒業USMLE受験合格米国の医師免許取得!

2023年までに日本の大学がWFME認証されないと...

2023年~日本の大学の医学部卒業WFME認証の大学に入学・卒業USMLE受験

     合格米国の医師免許取得!

 

つまり、2023年までに日本がWFME認証を受けられないと、2023年以降、日本の大学の医学部を卒業してもUSMLE(いわゆる、米国の医師国家試験)の受験資格が与えられないわけです。今まで、日本の大学を卒業すれば米国の医師国家試験を受けられましたが、今後はそうもいかなくなってきたわけです。

 

そうしたらどうするか。通常は、2つの意見に分かれると思います。1つ目は、無視する、あるいは米国に無理に合わせない。2つ目は、米国に合わせる。

 

あくまで、医療分野というフィールドでいえば、1つ目の意見は原則採用されません。2つ目しか選択肢がありません。医学分野において、米国が進んでいて最新の技術を持ち、世界レベルにおいて米国標準で医学は進んでいるという現実があります。そのため、常に米国の最新の知識を学ぶことは日本人にとって重要となるわけです。

 

そんななか、日本の大学の医学部が2023年までにWFMEからの認証がなされないと、日本にいる医学生達は米国への医師免許は取れない、つまり米国で医師としてのキャリアは積めないわけです。

 

日本の医療が世界から遅れをとっていると捉えられても過言ではありません。

【MEC通信 No.37 6月22日号】 2023年問題について | "MECサポーター会員限定" MEC通信

 

このサイトがこのようにまとめるのも納得がいくわけです。

なので、日本は現在、この問題について対策し、現行のカリキュラムを変えて米国に認められようと必死に頑張っているわけです。

 

じゃあ、どのようにカリキュラム変更するのか?

これについては次に説明します。

 

 

日本の医学部カリキュラムに与えた影響

これも上記の4つのサイトを参考にしています。

カリキュラムの細かい変更点までは大学によっては違いますが、大枠はだいたい以下の2つに収まると思います。

 

 

1、臨床実習を増やす

これまで、多くの大学の医学部のカリキュラムでは、1~4年生と5~6年生で大きく分けられてました。4年生までが座学中心の講義形式で、たまに臨床実習が入る。対して、5年生から病院実習が始まって色んな科をローテートし、6年生ではポリクリと呼ばれる地域の病院で見学・体験をする実習が始まります。

 

つまり、6年間を通した臨床実習の時間は、1~4年生でたまに入り、5年生以降でしっかり確保されていました。

 

しかし、WFMEからの認証されるためには、この6年間を通して臨床実習を増やす必要が出てきました。もともと日本は、世界と比較すると臨床実習の時間数が少なかったようです。

 

では、どれだけの臨床実習の時間を増やす必要があるのか。

こちらのサイトでは、具体的にこんな感じで書いています。

現在50週程度が主流とされる臨床実習を72週に拡大するなど、カリキュラムを世界標準に合わせること。

【MEC通信 No.37 6月22日号】 2023年問題について | "MECサポーター会員限定" MEC通信

 

 また、このサイトでは大学名を挙げて、具体的なカリキュラム変更内容を書いてます。

東京慈恵会医科大学では,従来,学部6年間で62週間であった臨床実習を75週間に拡大して,世界基準に対応することを計画している。

医学教育「2023年問題」からの示唆―国際標準化の波と薬学教育への影響―:医薬ジャーナル社, Iyaku(Medicine and Drug)Journal Co., Ltd.

 

 

大学にもよりますが、70週以上の臨床実習を行うようにカリキュラムを変更する必要があるようです。今のカリキュラムから10~20週ほど臨床実習を増やす必要があるということです。

 

 

2、臨床実習のやり方を変える

まずは引用したサイトを見てください。

わが国の医学部における臨床実習期間は,他国に比べて短く,その多くは診療を傍で見る「見学型」が中心となっているからである。だが海外では,医学生自身が診療にも参画する「診療参加型臨床実習」が一般的

医学教育「2023年問題」からの示唆―国際標準化の波と薬学教育への影響―:医薬ジャーナル社, Iyaku(Medicine and Drug)Journal Co., Ltd.

 

次の引用は、サイト内にある、東京慈恵会医科大学の医学科長、宇都宮教授の文です。

「日本の医学教育は、『見学』とペーパーテストを重視してきました。しかし、英米の医学教育は『参加』を重視しており、日本の医学教育は“ガラパゴス化”してしまった。本学では、昨年度から『参加型臨床実習のための系統的教育』を行う新カリキュラムをスタートさせました」

医学部にも黒船襲来 「2023年問題」に向け“脱ガラパゴス” (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

 

簡潔に言うなら、「参加型」の臨床実習を増やすことが求められているわけです。これまで日本では、「見学型」の臨床実習がメインでしたが、世界基準にあわせるために「参加型」の臨床実習を増やす必要がでてきました。

 

※私は今3年生です。今後、無事に進級して臨床実習が本格的に始まったら、具体的に実習形式がどのように変化しているのかを記事にしたいなと思います。

 

 

医学生が感じる変化・影響

今まで述べたように、カリキュラムを徐々に変える必要が出てきました。

これを受けて、「プレイヤー」とされる医学生達が、実際に感じる変化・影響をご紹介します。ただ、筆者は3年生ですので、臨床実習内容の具体的な変化までは分かりません。あくまで座学中心の講義形式の学年から見た変化をお伝えします。

 

 

1、CBTが早まった

(CBT:病院実習など、本格的な臨床実習をするためにパスしないといけない試験)

今までは、4年生が12月くらいにCBTを受験して、今後の臨床実習を受けるための資格をとっていました。

 

しかし、今年から自分の大学では、12月くらいにあったCBT受験が、9月に変わりました。

 

もともと自分の大学では5年生から臨床実習が始まりまるようなカリキュラムでした。

ところが現在、9月頃にはCBTをさっさと終わらせて、4年生の後期から臨床実習を始めるような準備をしているようです。臨床実習を増やすためですね。

たしかに、10~20週の実習時間を増やすということは、つまり3~5ヶ月ほど実習時間を増やすということなので、4年生の後期から臨床実習を始めようとする計画は妥当なところといえるでしょう。

 

 

2、半期ずつカリキュラムが早まった

上記のCBTが早まったことによる変化だと思います。

自分の大学では、臨床実習の開始を5年生から4年生後期に変えようとしているので、必然的にカリキュラムを半期分早める必要がでてきました。

 

上記に加えて、今後さらなるカリキュラム変更が起きる可能性があります。これは、先輩の言うことをあまり鵜呑みにしない方がいいということを示唆しています。もちろん、過去問やテスト情報などは先輩から絶対に仕入れるべきですが、それ以外の学生生活面ではあまりあてにしない方がいいです。

 

当時、自分の大学では、5年生は遊べる時間、いわゆる自由な時間が多く確保できると言われていました。しかし、カリキュラム変更で実際の自由時間が減ったと嘆く先輩も少なくありません。

 

 

3、教養期間が減った

主に1年生の話です。今現在でも多くの大学では、1年生の間は、医学専門の講義数より一般教養の講義数が多いと思います。2年生から、本格的に医学分野の講義を受けるようになる大学が多いです。

 

カリキュラム変更に伴い、実際に一般教養でとる単位数は減ってはいません。ただ、相対的に減少したという表現が正しいと思います。

なぜなら、1年生で医学分野についての学習量が増えたからです。

 

これは、カリキュラムを早めるために、1年生のうちから医学分野をある程度勉強させようという狙いがあると感じます。教養期間である1年生から、既に基礎医学臨床医学の勉強・試験を増やすようになりました。

 

 

4、試験が詰め詰めになった

カリキュラムの変更で、医学生が一番つらいとされる部分です。

自分の大学では、例年3年次で履修していたある特定の科目を、2年次で履修しなければならなくなったという事例が発生しました。これは別の学年でも、ところどころ起きています。そうなると、学年で講義・試験が増えてしまいます。

 

結局、講義がつめつめのスケジュールになったせいで、試験もつめつめとなりました。去年2年生の時に、4日連続で重い科目のテストが続いたこともありました...とてもきつかった覚えがあります...

 

 

5、部活・サークルの幹部が早まった

私は医学部の運動系の部活に入っています。あくまで医学部の部活・サークルの観点からお話します。

 

私が入学したとき(1年生の時)、入部した部活の幹部は3年生夏頃~4年生の夏頃が務めることになっていました。夏頃にある東・西医体という大会が終わると幹部交代する流れでした。実際、他の医学部の部活でも、夏頃の東・西医体を境にして幹部交代となるところが大半でした。

 

ところが、カリキュラム変更により、4年生のCBT受験が12月から9月に早まってしまいました。CBTは曲がりなりにも全国の大学がうける共用試験のひとつであり、臨床実習を行うためにパスしなければならない重要な試験です。そのため、4年生が夏頃まで幹部を務めるのは酷な話である、という流れが出てきました。

 

結局、自分の大学では、大半の部活で幹部が2年生夏頃~3年生夏頃に務めるようになりました。つまり、1年分幹部を早めるようにする流れになりました。自分の部活でも他聞に漏れず幹部を早めることになりました。

もちろん急に変えると務める幹部がとても大変なので、徐々に幹部の交代を早めていく部活がほとんどでした。

 

私の学年はちょうど幹部交代が早まった時で、今までとは違ったイレギュラーな日程の中で調整する事も多くかなり苦労しました。特に、自分は部長でしたので、最もストレスがかかりました。また、先輩方も引き継ぎするのが大変だったようです。

 

 

6、アクティブラーニングの時間が増えた

アクティブラーニングと称する授業が増えました。

教授陣も意図的に増やしているとおっしゃっていました。

 

そもそもアクティブラーニングとは何かというと...

学習者である生徒が受動的となってしまう授業を行うのではなく、能動的に学ぶことができるような授業を行う学習方法

アクティブラーニングとは?生徒がより能動的に学習するための指導方法

 

自分なりに言い換えると、

ただ座って先生の講義を聴くという受動的な授業ではなく、先生が生徒に問いかけたり、逆に生徒が先生に問いかけたり答えながら授業を進める、いわゆる生徒参加型の授業のことをいいます。

 

これは、先程の「日本の医学部カリキュラムに与えた影響」の「2、臨床実習のやり方を変える」で述べた、参加型の実習を増やすにつながると思われます。

 

低学年のうちにアクティブラーニングのような参加型の授業を受けることで、生徒がより能動的な行動に慣れるようにし、高学年の参加型実習に備えているのではないかと思われます。

 

 

最後に

実はこの記事を書く前、筆者はそもそも2023年問題なんて知りませんでした。

カリキュラムが早まってから「自由時間減ったなー...アクティブラーニングだるいな...」くらいしか思っていませんでした。

 

ですが、ちゃんと調べてみると、カリキュラムを変える必要性があるんだなということが分かりました。「プレイヤー」の立場である医学生は、在学中に、こういった詳細の説明はされておらず、ただ身を任せるような感じであるという実態があります。私もその一人です。

 

そんな医学生の立場からみた、2023年問題に伴う医学部のカリキュラム変更についての記事をまとめてみました。色んな方に見ていただければと思います。

 

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!